角ダクトエルボの補強サイズ(仕様)は、ダクトの「長辺寸法(W)」や「静圧区分(低圧・高圧)」によって異なります。
実務において、エルボ(曲がり)部分の補強は主に以下の2つの方法で行われます。
- 内部の補強・整流:ガイドベーン(案内羽根)の設置
- 外部の補強:補強アングル(鋼材)の取り付け
公共建築工事標準仕様書(国交省仕様)に基づいた、実務でよく使う具体的なサイズ基準を整理して解説します。
1. ガイドベーン(案内羽根)による補強とサイズ
角ダクトのエルボ(特に内側半径が小さい、または無い直角エルボ)には、気流の乱れ防止(整流)とダクトの強度補強を兼ねて「ガイドベーン」を取り付けます。
【ガイドベーンの板厚】
ダクト本体の板厚と同等以上とします。
- 低圧ダクト(一般空調): 0.6mm ~ 1.2mm の亜鉛鉄板
- 高圧ダクト: 0.8mm ~ 1.2mm の亜鉛鉄板
【ガイドベーンの枚数・寸法の目安】
ダクトの幅(W)に応じて、ベーンの枚数や配置ピッチを決定します(以下は代表的な選定基準です)。
- W = 500mm 以下:ベーンは不要(または1枚)
- W = 501mm ~ 800mm:ベーン 2枚(ピッチ約150〜200mm)
- W = 801mm ~ 1200mm:ベーン 3枚(ピッチ約200〜250mm)
- W = 1201mm 以上:ベーン 4枚以上
※ベーン自体の形状(アール)は、一般的にR=100〜150程度が実務でよく使われます。
2. 外部補強(アングル・リブ)のサイズ
エルボ周辺のダクト面が大きく、空気圧でベコベコと振動(バタつき)するのを防ぐため、ダクト外面に補強アングル(等辺山形鋼)を取り付けます。
長辺(W)のサイズに応じた、一般的な補強アングルのサイズ基準(低圧ダクトの場合)は以下の通りです。
- 長辺 450mm 以下:
- 原則として外部補強アングルは不要(板の折り込みリブ等で対応)。
- 長辺 451mm ~ 750mm:
- 補強アングルサイズ:L 30 × 30 × 3 mm
- 取り付けピッチ:1.0m ~ 1.2m 以内
- 長辺 751mm ~ 1500mm:
- 補強アングルサイズ:L 40 × 40 × 3 mm または L 40 × 40 × 5 mm
- 取り付けピッチ:1.0m 以内
- 長辺 1501mm 以上:
- 補強アングルサイズ:L 50 × 50 × 4 mm または L 50 × 50 × 6 mm
- さらに、ダクト内部に「タイロッド(補強棒:呼び径9mm程度の鋼管やボルト)」を併用して突っ張り補強を行います。
3. 実務におけるポイント
- 共板フランジ工法(TFD工法など)の場合:共板工法では、ダクトの接続部自体が補強の役割を果たすため、上記のフランジ工法基準よりも外部補強アングルを減らせる場合があります。ただし、エルボの直近(特に風が激しく当たる外R側)は変形しやすいため、長辺が750mmを超える場合はL型アングルでの補強が必須です。
- 高圧ダクト(排煙ダクトなど)の場合:静圧が高いため、ワンランク上の補強サイズ(例:長辺450mm超からL40×40×3のアングルをピッチ1.0m以内で使用するなど)が適用されます。
図面作成(Jw_cad等)や現場管理の際は、該当プロジェクトの「特記仕様書」に記載されている風道製作基準(国交省仕様の何年版かなど)を必ず確認して選定してください。
