排水トラップの封水保持や破封(封水が切れる現象)、排水通気計算に関する技術的根拠・算定式の主な出典先は、主に以下の公的規格および学会基準です。実務で根拠として参照される代表的な出典先をまとめました。
疑問(Q)
封水計算の出典先は?どこでしょうか?
回答(A)
1. 空気調和・衛生工学会規格(SHASE規格)
実務において最も標準的な根拠となる出典先です。
- SHASE-S 206「給排水衛生設備規程・同解説」
- 発行元: 一般社団法人 空気調和・衛生工学会
- 内容: 排水トラップの必要封水深(50mm以上100mm以下)や、許容圧力変動値(±250Paなど)の根拠が示されています。
- HASS 206(旧規格) / SHASE技術論文集
- 排水管内の空気圧変動とトラップの封水損失(自己サイホン作用・誘導サイホン作用)に関する理論計算式や実験データの多くは、本学会の論文および技術報告が原典となっています。
2. 国土交通省 建築設備計画基準
公共工事や一般的な建築設備の設計実務で直接参照される基準です。
- 「建築設備計画基準」(国土交通省大臣官房営繕部 監修)
- 内容: トラップの封水深の規定や、排水通気方式の選定基準、通気管径の計算根拠として使用されます。
3. 日本建築学会(AIJ)の技術基準・論文
より詳細なメカニズムや集合住宅などの特殊な排水計算の出典先となります。
- 「建築用排水通気配管の設計法・同解説」(日本建築学会)
- 内容: 管内圧力変化に対するトラップ封水の保持耐圧(封水強度)や、排水負荷に及ぼす影響についての計算・選定根拠が記載されています。
実務での扱い・まとめ
- 一般的な確認申請・基本設計: 「SHASE-S 206」または「国土交通省 建築設備計画基準」を出典・根拠として記載するのが標準的です。
- 超高層・集合住宅などの詳細検討: 空気調和・衛生工学会の論文(大塚雅之氏らの排水通気・トラップ封水保持に関する研究等)や「SHASE形特殊継手排水システム設計指針」などが計算の原典として扱われます。
