「圧力相当落差(mm)」とは、配管内の「圧力の強さ(正圧・負圧)」を「水分の高さ(水柱ミリメートル:mmH2O)」に換算した値のことです。
給排水衛生設備(特にトラップ封水や排水通気計算)の実務において、管内の空気圧の変化が「水何mm分の押し引きの力になるか」を示しています。
疑問(Q)
圧力相当落差(mm)とは?どこの事?
回答(A)
「どこのこと?」具体的にどこを指すのか
具体的な「場所」というよりも、「排水トラップの封水面にかかる圧力の差(高さ換算)」を指します。
1. 排水管の中と部屋(室内)の「圧力の差」
排水管の中に水が流れると、管内の空気が引っ張られて「負圧(引き込もうとする力)」になったり、押し込められて「正圧(押し戻そうとする力)」になったりします。 この「室内の空気圧」と「排水管内の空気圧」の差を、水頭(水の高さ=mm)で表したものが圧力相当落差です。
2. トラップ封水面の水位の「偏り・落差」
- 通常時: トラップの流入側と流出側の水面は同じ高さ(差=0mm)です。
- 負圧が発生した時: 管内(流出側)に引き込まれ、排水管側の水面が上がり、室内側の水面が下がります。この左右の水面の高さの差(水柱差)が、まさに管内に発生している「圧力相当落差」と釣り合います。
トラップ封水計算における重要性
排水トラップの封水深は、一般的に「50mm以上100mm以下」と定められています。
- 管内に25mmの圧力相当落差(負圧)が発生した場合 → トラップの封水面が25mm分引っ張られます。
- 管内に50mm以上の圧力相当落差が発生した場合 → 50mmの封水深を超える力で引っ張られるため、水がすべて吸い出されて「破封(封水切れ)」を起こし、悪臭や害虫が室内に入ってきてしまいます。
つまり、「圧力相当落差(mm)」がトラップの封水深(50mm)を超えないように設計することが、排水通気計算の目的となります。
単位の補足(実務的な計算)
現在の国際単位系(SI単位)では圧力の単位に Pa(パスカル) を使いますが、昔からの名残や水分の直感的なわかりやすさから mm(または mmAq / mmH2O) が使われます。
- 10mm(圧力相当落差) = 約 100 Pa(パスカル)
- 25mm(許容圧力変動) = 約 250 Pa
※「圧力相当落差 25mm」と言えば、「水柱で25mm分(約250Pa)の圧力変化」という意味になります。
