疑問:制気口VHS(不燃仕様)の図面の書き方(表)を教えてください。
前回記事でお伝えした通り、「VHSの不燃仕様」という指定や型番は、誤記や誤選定(排煙口との混同など)の可能性が高いと考えられます。
本来の疑問とは少し異なってしまいますが、今回はご質問への回答として、一般的な空調・換気設備における「一般仕様のVHS制気口」および「制気口ボックス」の図面の書き方(器具表・Jw_cadでの作図)について解説します。
器具表(仕様表)の書き方:例
図面の「特記仕様書」または「空調・換気器具表」には、メーカーの標準仕様に基づき以下のように記載します。
器具表の記述例(表形式)
| 記号 | 品名 | 仕様・材質 | 付属品・特記事項 |
| VHS | 壁付(又は天井付)レジスター | フェイス:アルミ製(アルマイト仕上又は指定色などを明記) シャッター:鋼板製 | 風向・風量調整機能付 ※フィルター付開閉型・結露防止型などを明記 |
| PB | 制気口ボックス (チャンバーボックス) | 亜鉛鉄板製 t=0.5〜0.8(サイズによる) 内貼:グラスウール t=25(ガラスクロス貼) | 消音・結露防止用 ダクト接続用ネック付 |
制気口ボックス(チャンバー)の書き方のポイント
VHSを取り付けるボックス(チャンバーボックス)は、主に消音・断熱(結露防止)の目的で設置されます。
- 材質:亜鉛鉄板 t=0.5〜0.8mm。(サイズによる)
- 内面保温材: グラスウール保温材(厚さ25mm、ガラスクロス貼り)を内貼りするのが標準的です。VHSを取付ける短管部分には、モルトプレーン保温材などを外巻きするのが標準的な方法です。
- 図面上のサイズ表記:「PB 400×400×300H×φ150」のように、「角サイズ(W×D×H)× 接続ダクト径(φD)」の形式で表記します。※ボックスサイズは、VHSサイズ+100mm(保温材25+25mm+施工誤差25+25mm)程で考えるのが標準的です。(H寸法は、ダクトサイズ+100mm)
Jw_cadでの作図手順と表現方法:例
Jw_cadで平面図や詳細図を描く際の実務的なテクニックです。
1. 平面図での表現(レイヤ分けと線種)
- レイヤ分けの標準構成:[空調ダクト]又は[換気ダクト]
- 「制気口(VHS本体)」:点線または破線(例:水色・極細線)
- 「制気口ボックス(PB)」:実線(例:緑色・太線)
- 「接続ダクト」:実線(例:緑色・太線)
- 作図手順:
- 天井伏図・割付図を基に制気口の中心点(基準点)を決めます。:一点鎖線(例:水色・極細線)
- VHSのサイズ(例:300×300)の正方形(点線または破線)を描き、対角線または文字で「VHS」と配置します。
- その外側に、ボックスサイズ(例:400×400 ※VHSより100UP)の正方形を「実線」で描きます。
- ボックスの中心(または側面)から丸ダクト(スパイラルダクト等)を引き出します。
2. 断面詳細図(取付詳細)での表現
- 構成要素
- LGS・下地材:天井・壁の開口補強枠。
- 制気口ボックス(PB):吊りボルトでスラブから固定されている様子を描きます。
- 内面グラスウール:ボックス内部に斜線(ハッチング)を入れ、「内面GW t25貼」と引き出し線で注記します。
- VHS本体:ボックスのネック(短管)部分に差し込み、ビス留め固定している状態を描きます。
3. 図面への注記(引き出し線)
平面図で該当する制気口から引き出し線を伸ばし、以下のようにテキストを配置します。
- (例)空調吹出口(吸込口)の場合:VHS 300×300(PB 400×400×300H×φ150)
ワンポイントアドバイス
VHSなどの制気口は標準で受注生産(焼付塗装)となり、通常でも約1ヶ月〜1.5ヶ月程度の納期がかかります。手配の遅れを防ぐため、以下の手順で慎重に確認を進めましょう。
- 納入仕様書での早期承諾:仕様・サイズ・数量を慎重にチェックし、早めに承認を得る。
- 塗装色の早期確定:仕上げ色(日塗工の色票番号)を関係者と調整して早めに決定する。
※実務でご使用の際は、案件ごとの特記仕様書や関係諸官庁との協議内容を必ずご確認ください。
